AG Hearse

旦那様を急に亡くされた女性の喪主様が、悲しみと何とも言えない感情で、こわばったお顔で乗車されました。火葬場への道のりで、泣かれたり、怒ったり、哀しんだり、大笑いしたり、まさに喜怒哀楽、全ての感情を吐き出されながらたくさんのお話をしてくださいました。
火葬場に到着すると、あんなにこわばっていた表情が、すごく穏やかになり「いっぱい聞いてもらって ありがとね」と、優しい笑顔で降りていかれました。

65年連れ添われた奥様を亡くされたおじいちゃまが、葬儀中は穏やかに過ごされていました。しかし、霊柩車に乗った途端、ポロポロと涙を流し始めたのです。「恥ずかしいなぁ。こんなおじいちゃんがみっともないね」とおっしゃられました。運転しながら「いえいえ、そんなことないですよ。いっぱい泣いてあげてください」とお伝えすると、堰を切ったように大号泣されました。

会館から火葬場へ向かう途中に、お客様のご希望で自宅を経由して向かうことがあります。
はじめは自宅の前を通るだけでいいと伺っていましたが、自宅に向かう車中で、お客様から自宅の前でお婆様が待たれていることをお聞きしました。どうやらお体の調子があまりよろしくなくて、葬儀に出席されたかったということでした。自宅の前に到着し、火葬場への予約時刻には少し余裕があったため、お柩の窓を開けてお顔をみていただきながらのお別れをさせていただきました。